今月からは仏具のお話を少しずつ。
お仏壇にお飾りする仏具には様々な種類があります。
お位牌、御本尊はお仏壇に欠かせないものですし、線香立て、花立て、ろうそく立て、リンなどは
最低限用意しておきたい仏具です。
よく「三具足、五具足・・・」などという呼び方をしますが、これは香炉(線香立て)、花立て、
ろうそく立ての3つを「三具足」といい、花立て、ろうそく立てを1対にしたものを「五具足」といっています。
さらに五具足に仏飯器、仏茶器、高杯を加えて「七具足」、「十具足」となっていきます。
また、それぞれの仏具には役割があります。
御先祖様を供養するための「供養具」、お位牌やお盆の時期に飾る提灯などがこれにあたります。
三具足と呼ばれている花立て、ろうそく立て、香炉はそれぞれ「花(華)供養具」、「灯供養具」、
「香供養具」といい、お仏壇にとって重要な「花(華)」、「灯」、「香」の仏具となります。
さらにお仏壇をお飾りするための「荘厳具」、音の出るものの総称で「梵音具(ぼんおんぐ)」などがあります。
やや前置きが長くなりましたが、今回は「梵音具」のお話をしたいと思います。
音の出る仏具としてはやはり「リン」がなじみ深いと思いますが、お寺などで見かける
「木魚(杢魚)」も「梵音具」の1つです。
木魚は読経の際に打ち鳴らすことでリズムを整えるためのものです。
また、その名前通り魚を象っていますが、これには「眠る時も目を閉じない魚のように
修行に精進するように。」という意味が込められている、ともいわれています。
木魚はその表面に動物の彫刻がなされていて、龍が一般的ではありますが、
空想上の動物である鯱(しゃち)や、変わったものでは蛇の彫刻などもあります。
手のひらサイズのものから1mを超えるものまで、サイズも様々です。
木魚は国産、外国産ともにありますが、日本国内で木魚作りを手作業で行っている「木魚職人」さんは
年々減少し、今では20人に満たないと聞きます。
大量生産、大量消費のこの時代に伝統を受け継いでいる職人さん達の技術に敬意を払い、
また、仏具も末永く使っていくものであり、良いものを選んでいきたい、と改めて感じました。
※ここに記載されている内容は一般的なものであり、宗派や地域によって違いがありますので
お寺様にご相談なさってください。