今月は数珠のお話です。
数珠は葬儀や法事など特別な時に使うイメージがありますが、
今回は数珠を持つ意味について考えてみたいと思います。
一年のうち、数珠を持つ機会はそれほど多くないように思えますが、
数珠は持ち主の魂の分身とも言われ、持っているだけで功徳があると
されています。
一人一人の身代わり(お守り)にもなる仏具で、これを持つことで
災いを取り除き、平穏や安らぎを得られるといわれています。
お寺での結婚式のときには、司婚者(住職)の方から紅白のリボンがついた
夫婦数珠が授けられ、新郎新婦は結婚式で数珠の交換の儀式を行います。
これは縁あって結ばれた二人の幸せを願う「寿珠(じゅず)」であり、
この儀式により深く仏様や仏様の教えなどを守り、お互いが尊敬しあい
拝み合う気持ちを持つように、との意味が込められています。
「嫁ぐ娘に 忘れず持たす 数珠ひとつ」という言葉もあり、
数珠は両親から娘の幸せを願った贈り物です。
また、成人式や就職祝いなどに社会人になったお祝いとして数珠を
贈られる方も多いです。
人生の節目に大切な方へ数珠を贈るのはとても素敵なことだと思います。
数珠は「念(おもい)」の「珠」で「念珠」ともいい、
法要の時だけのものではなく、お守りとして毎日身につけたい大切な仏具です。
誕生日や母の日、結婚記念日などに、感謝の気持ちを込めて
数珠を贈ってみてはいかがでしょうか。