お客様との打ち合わせの中で、一概に答えの出ない難題に直面することがあります。
今回はそれらの難題をご紹介いたします。
まず、土葬で埋葬されているお墓の問題です。
かみ砕いて言いますと、新しく墓石を建立しようとしている場所に土葬で埋葬されたご先祖様が
眠っている場合、その遺骨を掘り起こして新しいお墓に埋葬するかどうか、ということです。
「昔は土葬があたりまえであり、安らかに眠っているご先祖様の遺骨をわざわざ掘り返し
たくない。」
また、
「いくらなんでも、ご先祖様が眠っている上にコンクリートを打って、重い墓石を建てる
ことはできない。」
等という考え方ができると思いますが、どちらの考え方も間違いではないのではないでしょうか。
お施主様、ご当家が一生懸命考えて出した答えが正解であり、また一生懸命ご先祖様のことを
考えることこそが最大の供養になるのだと思います。
次に、納骨に関する問題です。
新しい墓石が完成して納骨する際に、遺骨を骨壺のまま埋葬すればいいのか。
それとも壺からあけたほうがいいのか。この問題もよくお客様からご質問いただきます。
菩提寺の御住職様にお伺いするのが一番だと思いますが、無宗派のお客様などからはよく
質問されることです。
お寺様によっては、骨壺からあけるのは7回忌であったり13回忌であったり、
また納骨堂がいっぱいになった際に古いご先祖様から土に還すように言われるようです。
一個人としての私の見解を述べさせていただきます。
「骨壺があるとまだその方が居てくれるような気がする。亡くなった方の姿がそこにはある。」と、
私は自身の経験からこのように感じています。
いつしか時が経って「土に還るのが一番の供養だ」
と思える時がきたらその時に壺からあけてあげればいいと思います。