「なんだい。これから納骨けぇ。暖かくなっていがったなぁい」
『ホントですよ。今朝なんかも寒かったからどうなるかと思って。
納骨フタが凍りついてたら大変なので、お湯持ってきたんですよ。』
「あらそうけぇ。うちでも何かあるといけないから、ほれ見てみぃ。」
たまたま居合わせたおじいさんが笑顔でヤカンを差し出しました。
「お湯余ったからよかったら使うかぁい?」
『ありがとうございます。こちらもたらふく持って来たので
お気持ちだけいただいときます。』
「そうかい。じゃッお先になぁい」
と、その心優しいおじいさんは車に向かって歩き出したのですが
2・3歩行ったところでお墓に戻ってきて
「最近すっかり寒くなったケド風邪ひくなよ。また来っかんなぁい。じゃぁな」
といって帰っていきました。
多分亡くなられた奥さんへの言葉なのだと思いますが。
なんだか解らないのですが、聞いてるこちらがジ~ンときちゃって。
まさにこれこそが、お墓の有り方!とでもいいましょうか。
おじいちゃんにとっては墓石が亡き奥さんそのものであって
だからこそ自然な振舞いで話しかけられるのであって。
昨今、様々な供養形態があり跡継ぎの問題などで、合葬の永代供養塔などを選ばれる方が
大変増えてきましたが、永代供養塔の場合は今日出会ったおじいさんのようなお墓参り。
って訳にはいかないような気がします。
決して永代供養塔を否定しているわけではありません。
それぞれの供養形態があって然るべきなのですが、あのおじいさんの何気ない一言が
あまりにも心に響いたもので。
お墓の良さ。またお墓参りの良さを改めて感じました。
『どれッ彫刻部分が汚れてるから、ちゃっちゃか掃除しちゃうべ』
「どうも店長。集まりがよかったので始めちゃおう。ということで早めに来ました。
本日はよろしくお願いいたします。」
『あらッ、そうでしたか。おはようございます。
こちらこそよろしくお願いいたします。随分とお早いことで。』
どうしよう・・・彫刻部分(汗)