お客様 「おかげ様で無事納骨が済んでホッとしたわ。
石屋さんには言ってなかったけんども、お墓が出来るまでに
何回もじいさんが夢にでてきてなぁ。早いこと納骨してやって
落ち着かせてやりたいと思ってたんだわ。一安心だわなぁ。」
私 『よかったですねぇ。ほんと一安心ですね。』
お客様 「実はじいさんが夢によくにでてくることを知り合いに話したら、
いつまでもじいさんのお骨をお寺に預けとくから寂しくて夢に
でてくんじゃねぇのかい。っていわれてずっと気になってたんだわ。
そういうもんかねぇ石屋さん。」
私 『以前あるご住職様が、亡くなった方が夢にでてくるのは夢をみた本人が
亡くなった方の死を受け入れた証拠なんですよ。っておっしゃってましたよ。
だからおばあちゃん(お客様)はちゃんとおじいちゃんの死というものを受け入れて
ご供養の気持ちをもってお墓を建てられたのだからご立派なもんですよ。
おじいちゃんもきっと感謝していますよぉ。』
先日のあるお客様との会話です。
その後お客様はこんなことをおっしゃいました。
「実はお墓にもっとお金をかければよかったんじゃないかと思ってねぇ。
なんだかじいさんに申し訳ないような気がして。」
返事に困った私はおもわず
『そりゃぁ、一営業マンとしては正直、お金をかけてくれればくれるほどありがたいですが、
お墓はお金をかければ良いってもんでもないんじゃないでしょうか。
そんなことよりもお盆、彼岸はもとより月命日などにかかさずお墓参りされることのほうが
大切なことですよ。』
私達石屋は石には触れますがお墓には触れません。
お墓というものは、石に開眼式をして初めてお墓になります。
リフォームされる時も魂を抜くことによってお墓だったものが石になるので、
抜魂式が終わってからでないと工事ができないのです。
お墓はご家族とご先祖様を結ぶ、とても大切な心のよりどころとなるものです。
完成して終わりではなく、お参りする気持ちが大切なのであり
ご家族の方がお墓参りを重ねていくことによって素敵なお墓になるように思います。