お仏壇選びの基礎知識
お仏壇の基本的な素材
お仏壇は大きさや、一見した形状は同じでも、価格はさまざまです。それどころか、大きい仏壇が小さいものより高価とはかぎりません。その理由は、まず素材の違いにあります。たとえば「唐木仏壇」の場合、基本取材に、紫壇、黒壇、鉄刀木、シャム柿、欅などの銘木を使用したお仏壇がある一方で、圧縮ボードに「木目をプリントした塩ビシート」を貼り付けたものもあります。基本取材は、芯材に天然の原木を練り付け(貼り付け)て用いますが、その練り方にも種類があり、[図参照]芯材をまったく使わない“総無垢造工法”がもっとも高級です。さらに、内陣の造作もさまざまで、使われる素材、仏壇職人の技法・技量など、すべてが価格を決定する要素になります。
お仏壇の基本的な安置場所
住宅事情や生活様式の変化によって、お仏間や床の間の確保が難しい場合も少なくないようですが、お仏壇を購入することになってあわててリフォームするよりも、できれば新築時にお仏壇の安置場所を設けておきたいものです。ご購入に際しては、安置する場所の寸法を正確に測り、余裕のあるサイズのものを選びます。安置する向きについては、南向きがよいとか、西向きがよいとか言われますが、宗教的な意味はありません。直接日光が当たらなくて、風通しのよい場所に安置しましょう。
お仏壇のまつり方
仏教用語で、お仏壇の飾り方やお仏具の並べ方を“荘厳の仕方”と言い、仏教で説く世界をシンボリックにあらわします。
当然、宗派によって異なりますが、仏前へのお供えのうちで「花立て・香炉・燭台」を三具足(花立て2・香炉1・燭台2)と言い、最低限必要なものとされています。さらに、リン(お輪)や、仏飯をお供えする仏飯器(お仏供とも仏餉とも言います)なども欠かせません。そのほか、瓔珞や、仏天蓋、宗派によって金襴品の戸張や打敷などが必要です。
お仏壇の大きさや、宗派の“荘厳の仕方”に合わせてお揃えください。
仏壇の種類
お仏壇の種類は、大きく分けて金仏壇(漆塗金仏壇)と唐木仏壇(紫壇・黒壇など)の二種類を基本に、台付き仏壇、上置き仏壇などがあり、さらに大きさも近年の住宅事情を考慮した大型・中型・小型に分けることができます。唐木仏壇の素材は、紫壇、黒壇をはじめ、欅、桜、鉄刀木、黒柿、黄金丹などが使用され、荘重な生地のツヤを生かしたお仏壇です。
その他のお仏壇
関東型仏壇
関東型仏壇とは、合理的で生活的な作りで、一般に「つくりつけ仏壇」とか「タンス型仏壇」とよばれています。仏壇の中段以下は物入れとして使用できるようになっています。材質は欅、栓などが使われます。
家具調仏型
名前の通り現代的な建築の家に合うお仏壇です。フローリングの部屋や洋風家具のある部屋に設置しても景観を損ねないが特徴です。またさまざまなニーズに応えられるよう上置タイプがあったり、比較的明るい色を中心とした品揃えで、最近人気が高まっているお仏壇です。