昔っからイヤ~~な思い出しかないバレンタインデーが終わったもんで、
やっとブログの更新に気持ちがもってこれました。
今月はキチンと墓石の話をしたいと思います。
石塔の正面字についてです。
昔は和型石塔であれば「○○家之墓」や「先祖代々之墓」が一般的で、
洋型ならば「○○家」が圧倒的に多かったもんですが、最近は様々になってきているようです。
特に洋型の場合15年前あたりから一文字が大変増えてきました。
「慈・愛・心」などが多かったのですが、4,5年前あたりからは「絆」が増えました。
一文字の枠を超えてさらに最近では「ありがとう」などに代表されるメッセージ調のお墓も
目立つようになってきました。
当社で建立してくださったお客様との打ち合わせで、
印象に残っている正面字にまつわるお噺を紹介いたします。
そのお客様はご自分が分家なさった方で、いわゆる初代にあたる方でした。
「今うちに仏様がいるわけじゃねんだけんじょも、後の代に大変な思いさせたくねぇから
今のうちに墓建てとこうかと思ってなぁい。」というお客様でした。
ご契約いただいて文字彫刻の打ち合わせの段になると、
「石碑の正面には、○○家先祖累代之墓って彫ってもらえっぺかなぁ。」とおっしゃいました。
それまでのケースから考えるとご自分が初代にあたるお客様が、
それも生前に建てるいわゆる寿陵墓なのにめずらしいなぁ。と思ったので、
『何か先祖累代という言葉に思い入れがおありのようですがお聞かせいただけませんか。』と
尋ねると、お客様が照れくさそうに
「代々続いてる農家さんの家のお墓なんかじゃよく先祖代々とか先祖累代之墓ってのがあっぺなぁい。
うちは私が初代で最初のお墓なんだけんども、これから先うちの家系が末永く続いていきますように。
との願いをこめて先祖累代としたいと思ったんだけどおかしいかい石屋さん?」
と教えていただきました。
なにかこちらがハッとさせられて『大変すばらしいことだと思います。是非それでいきましょう。』と
いう小生の目からは止めどなくポロポロとウロコが落ちまくりました。
そうかッ!これまで自分で勝手に『お墓ってのはその家その家の歴史を刻むもん』だと
決めつけていたけど未来に向けてメッセージを残せるものなんだ。っと気づかされました。
なんでしょう。。うまく言えないのですがお墓を造るにあたって私は今日現在までの過去を見ていて、
そのお客様は逆に未来を見ていたのです。
祖先に向けての願いも込めることができるんだなぁ。お墓ってすごいなぁ。と考えさせられました。
まだまだ終わりませんので次号に続く→→→